機器点検と総合点検
- 機器点検:6か月に1回。外観や簡易操作などで状態を確認します。
- 総合点検:1年に1回。設備を作動させ、総合的な機能を確認します。
- スプリンクラー、自動火災報知設備、消火器、屋内消火栓など、設備ごとの点検票を使います。
消防設備、建築基準法第12条、昇降機、ビル衛生、貯水槽、アスベスト事前調査まで、オーナー・管理会社が確認したい対象・周期・報告先をまとめました。
INSPECTION LIST
全国共通の制度と、自治体指定で変わる制度を分けて確認してください。横浜市の周期を記載した項目は、横浜市公式情報を基準にしています。
| 点検・管理名 | 主な根拠 | 主な対象 | 一般的な周期 | 報告先 | 実施者 | オーナーが準備するもの |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 消防用設備等点検 | 消防法第17条の3の3 | 消火器、自動火災報知設備、スプリンクラー等が設置された防火対象物 | 機器点検:6か月に1回/総合点検:1年に1回 | 管轄消防署への結果報告は別周期 | 一定の建物は消防設備士または消防設備点検資格者 | 前回報告書、設備一覧、図面、点検口・機械室の鍵 |
| 消防署への点検結果報告 | 消防法第17条の3の3、消防法施行規則 | 消防用設備等が設置された建物の関係者 | 特定防火対象物:1年に1回/非特定防火対象物:3年に1回 | 消防長または消防署長 | 所有者・管理者・占有者等が提出。実務は点検業者が支援することが多い | 直近の機器点検・総合点検結果、届出者情報、委任関係 |
| 防火対象物点検 | 消防法第8条の2の2 | 防火管理者の選任が必要な建物のうち、用途・収容人員・階段条件等で対象となるもの | 1年に1回点検・報告 | 管轄消防署 | 防火対象物点検資格者 | 消防計画、訓練記録、防火管理者届出、避難経路・防火戸の管理記録 |
| 防災管理点検 | 消防法第36条等 | 防災管理者の選任義務がある大規模・高層等の対象物 | 1年に1回点検・報告 | 管轄消防署 | 防災管理点検資格者 | 防災計画、地震対応、訓練記録、家具転倒防止等の管理資料 |
| 建築基準法第12条の定期報告 | 建築基準法第12条 | 国・自治体が指定する建築物、建築設備、防火設備、昇降機等 | 対象と時期は特定行政庁の指定による | 特定行政庁(横浜市では横浜市建築局) | 一級・二級建築士、各種調査員・検査員など法令上の資格者 | 確認済証・検査済証、図面、前回報告書、改修履歴 |
| 特定建築物定期調査 | 建築基準法第12条第1項 | 劇場、病院、ホテル、物販店、飲食店、福祉施設等のうち指定規模以上。自治体指定あり | 横浜市では原則3年に1回。用途別の提出年度あり | 特定行政庁 | 一級・二級建築士または特定建築物調査員 | 平面図、避難経路、防火区画、外壁・屋上等の改修記録 |
| 建築設備定期検査 | 建築基準法第12条第3項 | 対象建築物に設けられた換気、排煙、非常用照明、給排水設備など | 横浜市では毎年 | 特定行政庁 | 一級・二級建築士または建築設備検査員 | 設備図、前回検査結果、修繕履歴、運転・停止の調整 |
| 防火設備定期検査 | 建築基準法第12条第3項 | 対象建築物の随時閉鎖式防火扉、防火シャッター等。自治体運用あり | 横浜市では毎年 | 特定行政庁 | 一級・二級建築士または防火設備検査員 | 防火設備図、連動試験の調整、前回指摘、周辺障害物の確認 |
| 昇降機等定期検査 | 建築基準法第12条第3項 | 対象となるエレベーター、エスカレーター、小荷物専用昇降機等 | 横浜市では毎年1回 | 特定行政庁 | 一級・二級建築士または昇降機等検査員 | 検査済証、保守記録、不具合履歴、機械室・ピットへの立入調整 |
| エレベーターの保守・点検 | 建築基準法第8条、国交省の維持管理指針 | エレベーター等の所有者・管理者 | 全国一律の固定回数ではなく、使用頻度・機種・契約に応じて定期実施 | 通常の保守は行政への定期報告ではない。法定の定期検査報告は別 | 専門知識を持つ保守点検業者 | 仕様書、過去の作業報告、故障履歴、メーカー資料、緊急連絡体制 |
| 特定建築物の衛生管理 | 建築物衛生法 | 店舗・事務所・旅館等の特定用途部分が3,000㎡以上。学校教育法第1条の学校は8,000㎡以上 | 空気・給排水・清掃・害虫防除を基準に沿って継続管理 | 保健所等。必要な届出・帳簿保存あり | 建築物環境衛生管理技術者を選任して監督 | 用途・面積資料、設備台帳、測定・清掃・水質検査記録 |
| 空気環境測定 | 建築物衛生法・建築物環境衛生管理基準 | 特定建築物で空気調和設備または機械換気設備を設ける場合 | 2か月以内ごとに1回 | 通常は記録保存。保健所の立入・報告要求等に対応 | 管理技術者の監督下で測定。登録業者へ委託する場合あり | 各階の測定地点、使用時間、空調運転状況、前回結果 |
| 貯水槽の清掃 | 建築物衛生法・建築物環境衛生管理基準 | 特定建築物で貯水槽を経由して飲料水を供給する場合 | 1年以内ごとに1回 | 通常は記録保存。保健所等へ必要に応じて提示 | 専門の清掃業者等 | 断水案内、槽容量・系統図、作業場所、前回記録、復旧確認 |
| 飲料水の水質検査 | 建築物衛生法・水質基準 | 特定建築物で貯水槽等から飲料水を供給する場合 | 基本項目は6か月ごと、消毒副生成物等は毎年6月1日~9月30日に1回。水源で追加あり | 通常は記録保存。異常時は保健所等へ相談 | 水質検査機関等 | 水源、採水場所、系統図、残留塩素記録、前回結果 |
| 排水設備の清掃・大掃除・害虫防除 | 建築物衛生法・建築物環境衛生管理基準 | 特定建築物 | 排水設備清掃・大掃除・ねずみ等の統一調査:6か月以内ごとに1回 | 通常は記録保存。保健所等へ必要に応じて提示 | 管理技術者の監督下で専門業者等 | 排水槽・廃棄物保管場所・厨房等の図面、作業日時、テナント調整 |
| アスベスト事前調査 | 石綿障害予防規則・大気汚染防止法 | 建築物の解体・改修工事は規模にかかわらず事前調査が必要 | 着工前。一定規模以上は結果報告も必要 | 労働基準監督署および自治体へ原則電子報告 | 建築物石綿含有建材調査者等の有資格者 | 設計図書、建築年、改修履歴、工事範囲。結果記録は3年間保存 |
※「一般的な周期」は公式情報で確認できた範囲を記載しています。自治体・建物条件による例外や特例認定があります。
FIRE EQUIPMENT
点検そのものではなく、点検指摘後の改修、スプリンクラー配管、消火設備配管、テナント改修、設備更新をご相談いただけます。
BUILDING STANDARD ACT
「12条点検」と呼ばれる制度で、建物を使い始めた後も安全な状態が保たれているか、資格者が調査・検査し、特定行政庁へ報告します。
建物本体の調査です。敷地、外壁、屋上、避難経路、防火区画などの劣化や不適切な改変を確認します。対象建物と報告年度は自治体指定です。
換気、排煙、非常用照明、給排水設備などの検査です。対象設備は建物と自治体の指定で異なります。
防火扉や防火シャッターなどの作動・閉鎖を確認します。横浜市では、常時閉鎖式防火扉を特定建築物定期調査で扱うなど、自治体独自の運用があります。
エレベーター、エスカレーター等の法定検査です。日常の保守契約とは別に、資格者による定期検査報告が必要です。
BUILDING HYGIENE
建築物衛生法の「特定建築物」は、店舗・事務所・旅館などの特定用途部分が3,000㎡以上の建物、または学校教育法第1条の学校で8,000㎡以上の建物です。
特定建築物に該当しない建物でも、多数の人が利用する建物は同基準に沿った維持管理が努力義務とされています。
RENOVATION CHECK
建築物の解体・改修工事では、工事規模の大小にかかわらず、工事範囲の材料について石綿含有の有無を着工前に調査します。建築設備工事には、給排水、消火、空調、防災設備なども含まれます。
建築物の解体は対象床面積80㎡以上、建築物の改修は請負金額税込100万円以上などで、原則として電子システムによる結果報告が必要です。建築物の事前調査は有資格者が実施します。
ANNUAL SCHEDULE
これは管理しやすくするための配置例です。法定周期や報告期限を一律に決めるものではありません。実際の実施月は前回実施日、建物用途、行政指定、テナント事情に合わせて設定してください。
前年の報告書・指摘・未完了工事を棚卸し。年間予算とテナント休業候補日を確認。
実施月は建物ごとに設定。機器点検結果と改修見積りを整理。
行政報告期限、点検契約、保守契約、緊急連絡先を確認。
用途・間仕切り・天井変更と消防設備への影響を着工前に確認。
横浜市など自治体の対象年度・提出期間を公式ページで確認。
夏期に行う水質検査項目、空気環境測定、害虫防除の記録を確認。
漏水・腐食・作動不良など、緊急度の高い項目から改修。
総合点検と機器点検を同時期に組む場合は、設備停止とテナント調整を早めに実施。
対象用途と前回報告日を確認し、報告書・点検票・委任関係を準備。
法定検査と日常保守を混同せず、報告書・保守作業書を分けて保管。
指摘事項を緊急・短期・中長期に分け、予算と工期を仮設定。
改修完了日、写真、図面、届出控えを台帳へ反映し、未完了項目を翌年へ引継ぎ。
OWNER CHECKLIST
FAQ
代表例は、消防用設備等点検、防火対象物点検、防災管理点検、建築基準法第12条の定期報告、昇降機等定期検査、特定建築物の衛生管理、貯水槽清掃、水質検査、解体・改修時の石綿事前調査です。実際の対象は建物の用途、規模、設備、所在地で異なります。
消防用設備等の機器点検は6か月に1回、総合点検は1年に1回が基本です。消防署への結果報告は点検周期とは別で、特定防火対象物は1年に1回、非特定防火対象物は3年に1回です。
すべての建物が毎年ではありません。飲食店、物販店、ホテル、病院などの特定防火対象物は1年に1回、事務所、共同住宅、工場などの非特定防火対象物は3年に1回が基本です。複合用途などは管轄消防署へ確認してください。
建築基準法第12条に基づき、対象となる建築物、建築設備、防火設備、昇降機等を資格者が調査・検査し、特定行政庁へ報告する制度です。対象と報告時期は自治体の指定により異なります。
法令違反となる可能性があるほか、設備の不具合や避難上の危険を見逃すおそれがあります。未実施や期限超過に気づいた場合は、点検業者、管轄消防署、特定行政庁などへ早めに相談してください。
設備名、場所、不良内容、緊急度を整理し、見積り、工事日、テナント調整、必要な届出、改修完了記録まで管理します。スプリンクラーや消火設備配管の改修は有限会社水越設備へ相談できます。
必要です。用途、間仕切り、天井、火気使用、収容人員などの変更で、消防設備の配置や届出、点検対象が変わる可能性があります。着工前に図面を用意し、管轄消防署と専門業者へ確認してください。
OFFICIAL SOURCES
制度は改正されることがあります。最終判断は、建物所在地を管轄する行政機関と有資格者へ確認してください。